展示コンセプトについて
「NEW JAPAN STYLE〜あの頃の思い出〜」
木漏れ日に照らされ、凛とした花を咲かせる洋蘭を見ると、僕はいつもあの頃を思い出す。
あの頃、色彩り鮮やかな花が咲き乱れた庭には、いつも心地よい風が吹き、白亜の洋館の軒先にかかった風鈴が爽やかな音色を奏でていた。祖父と祖母が親しい友人を招いてティータイムを楽しんでいた昼下がりの光景が今も鮮やかによみがえる。美しいドレスを着飾り、聞き慣れない言葉で談笑する人たちの中に居ると、ここが日本であることを忘れてしまう感覚にとらわれた。
テーブルの上には太陽の光を受けて輝く銀食器の数々。手に取ると冷たくずっしりとした重み、それでいて軽やかで優雅な曲線の装飾。フランスの洗練されたそのデザインは、子供だった僕にも遠い西洋の香りを感じさせるものだった。その横で静かな存在感を放っていた日本の伝統工芸品の器や花瓶。西洋文化の空気の中でも独特の日本の美を感じさせる豊かな色彩と繊細さ。その姿を美しいと感じる自分に日本人としての誇りを強く感じていた。
あの頃は家の奥に畳を敷いた和室があった。飾り気のない簡素なしつらえであったが、障子から差し込むやわらかな光と畳の香りの中、祖母はゆっくりとお茶を入れるのが好きだった。洋館の中にあるこの小さな日本の空間を祖母は特に気に入っていて、時折僕を呼んでは濃い目のお茶をたてながら、
遠く海の向こうの国の話や昔のことを聞かせてくれた。僕はまだ見ぬ広い世界に想いを馳せたものだった。
今年、日本とフランスは修好通商条約を結んで150年を迎えるという。再びこの高台に立つと、僕の原風景として今も鮮やかによみがえるあの頃の記憶。西洋と日本の伝統工芸の機能美が一体となった新しい空間が祖母の家によみがえる。
展示協力
《インテリア》 株式会社アクタス 《照明》 マックスレイ株式会社 《畳》 株式会社TTNコーポレーション
《和紙》 株式会社杉原商店 《施工》 ヨシヤス建設株式会社
九谷焼 【鏑木商舗】
文政5年・西暦1822年、徳川家斉の治世に九谷焼最初の商家として金沢で開業。
再興九谷の歴史とともに歩んでまいりました。
当時は、加賀藩の意向で九谷焼の復活・普及が推進され、当舗は各窯での制作を促進・販売を手がけ、また自家工房に名工を集めて絵付けを行っておりました。
明治・大正時代には、九谷焼は輸出品として人気を博し、国内、また海外の展示会に出品されるようになりました。当舗も鏑木謹製の作品を数多く出品し、「鏑木製の九谷は一級品」という実績と名声を得るに到りました。現在、その時代の「鏑木製」作品を国内外に求め、手元に集めたものをギャラリーに展示してあります。
昭和・平成に入った現在、「味のある、よい九谷焼を広く全国の顧客に伝える」という創業の精神に徹し、金沢の真ん中長町武家屋敷跡に本店(飲食店を併設した金沢九谷ミュージアム)を構え、また東京・麻布十番に九谷焼専門・鏑木分店を開業しております。
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Christofle (クリストフル)
1830年創業。フランスのシルバーウェアの老舗であるクリストフルは、フランス王ルイ・フィリップから注文を受けることにより王室御用達の認定を受け、その後ナポレオン3世からチュイルリー宮殿で催される晩餐会用のテーブルウェアの注文を承るなど、歴史上の著名な人物からの評判により今日では世界各国の大使館、公邸、一流ホテルやレストランで「食卓の芸術品」として広く愛用されています。
創業以来「創意・伝統・品質」を理念とし、創業者シャルル・クリストフルのモットーである“唯一の品質、それは最高の品質”を忠実に守り続け、常に高品質の製品作りを心がけています。クリストフルではカトラリーなどのテーブルウェアに始まり、ホームウェア、ギフトのほかジュエリーを取り揃えるなど、ライフスタイルに輝きを添える最高級のシルバーウェアを展開しております。
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